intome city MIRROR JOURNAL
雪の日に見つけた「スタイル」の更新
最近読んだ樺沢紫苑さんの『神・時間術』に、ハッとさせられる一節がありました。
「創出した自由時間に、仕事をしてはいけない。自己投資や楽しむことに使うべきだ」
思い返せば、最近の私はアプリ開発にどっぷり。 効率化して浮いた時間も、週末のゆとりも、すべてを「開発」という一点に集約させていました。
もちろん、好きなことをやっているわけだし、没頭している時間は苦痛どころか快感です。だから「これが正解」だと信じて疑いませんでした。
けれど、それは知らず知らずのうちに脳を酷使し、大切な「感性」をどこかに置き去りにしていたのかもしれません。
あえて、使い慣れていない脳を動かす
本によれば、高い集中力を維持するためには、あえて「いつもの仕事」とは違う刺激を脳に与えることが不可欠だといいます。 論理的なデスクワークが続くなら、週末は外に出て感性を磨き、体を動かす。普段使っていない領域の脳を動かすことで、脳全体が活性化され、結果的にアウトプットの質も高まっていく——。
これは、私が人生のテーマにしている「スタイル」にも通じる話でした。 自分らしいスタイルを見つけ、確立することは素晴らしいことだと、私はいつも発信しています。
でも、一度スタイルが定まると、そこから一歩も動かさないことが正解のように思い込んでしまいがち。
けれど、あえてアンテナを広げ、今没頭しているものとは「違うもの」を試してみる。そうした積極的な寄り道こそが、自分のスタイルをより豊かにし、マンネリ化を防いでくれるのだと気づきました。
雪の静寂と、多様な「いとおしい」
「そういえば去年までは、週末に美術館やライブによく行っていたな」と思い出し、さっそく行動に移しました。
向かったのは、山種美術館の『LOVE いとおしい…っ!』展。 ちょうど雪が舞い、冬らしい凛とした空気に包まれた日でした。
展示室に広がっていたのは、日本画が描く多様な「いとおしさ」の世界。 思わず頬が緩むような優しい色彩がある一方で、その裏側には、想いが極端になりすぎて相手も自分も破壊してしまうような、ヒリつく情念も潜んでいました。
ロジカルなアプリ開発の世界とは、まさに対極。 でも、その「違う世界」に身を置く時間こそが、カチコチに固まっていた私の思考を心地よくリセットしてくれました。
「おしゃれ」の目的を再確認する
展示を見ながら、ふと考えました。 「もし私が、これほどまでに愛しいものを絵に残すとしたら、何を描くだろう?」 夫、愛犬、それとも自分自身……?
そう自問自答したとき、ふと気づいたんです。「あ、そこに服は入らないな」と。
私にとって「おしゃれ」は、服そのものを愛でるための「目的」ではありませんでした。 それは、**「大好きなものや大好きなことを、思う存分楽しむための自分」**を作るための「手段」だった。 強烈な愛の形に触れたからこそ、自分の原点を再確認できた気がします。
軸を携えて、積極的に「外」へ
これまでは、すべての時間を一箇所にギュッと凝縮させることが美徳だと思っていました。 でもこれからは、もっと積極的に外の空気を吸いに行こうと思います。
自分の軸を大切にしながらも、あえて知らないものに触れ、試してみる。 そうして得た新しい感性が、巡り巡って、また良いアプリ開発に繋がっていく。
そんなことを確信した、雪の日の静かな週末でした。